コンピュータなどの進歩により、これまでは扱いづらかったビッグデータの解析が可能になった今、全遺伝情報の解析や宇宙や全地球的な天候変化のシミュレーションすら可能になってきている。これまでの物理学が万能視してきた「法則性」は、母集団を無限であり時間を無視すると仮定したうえで自然界を簡易的に記述する方便に過ぎない。物理法則よりも重要なのは自然現象そのものをすべてきちんと客観的に記述することで、そこには、「無 限ではなく有限であるこの世界」における歴史性、そして偶然性の表出が不可避だ、と著者はいう。 つまり、自然科学は物理学を規範として、「無限・必然・非時間」の概念を重視してきたわけだが、これらに対して「有限・偶然・時間」こそが新しい自然科学像を示す指標であると宣言するのが本書である。 われわれの生命のみならず、地球も宇宙も、「有限世界」における時間発展を遂げた存在であり、結局は時間的変化=「歴史」が重要である。ここでいう「歴史」は狭義の“歴史(学)”でなく、自然史を考察の対象とするため、 著者は新たに「歴誌」という用語を提起する。 本書では、自然科学を「歴誌学」として捉え直そうという著者の試みの具体的な内容を、著者の専門である生物学(人類学、ゲノム進化学等を含む)の視点から展開する。
(amazonから引用)

 

担当:DTP
版元:ウェッジ
刊行:2016/2/22