ネコとはいったい何物なのか。
いつから人間と共生するようになったのか。ウシやブタ、ウマやイヌのような家畜と違い、ネコはひたすら人懐こい表情としぐさで人間に愛され、いつしか家族同然の地位を獲得した。
最古のネコ科動物から、氷河時代のスミロドンや新種のサバンナまで、ネコ科動物の種類と進化史をたどりつつ、ネコと人間の関わり合いを探る。ある種のネコは人間の狩猟を手伝い、別のネコは穀物倉庫でネズミを追い払う役目についた。
また別のネコは、神殿で美しく神聖なものとして崇められ、人々から愛情を注がれるようになった。ネコの進化史をたどる一方で、動物としてのネコの特異な能力を科学的に探る。
非常に速い成長、生涯に100匹以上産むことができるといわれる多産、暗闇をものともしない特殊な目、優れた嗅覚、イヌよりも優れた超音波を聴き取る能力、ネコ独特の感覚器ヤコブソン器官など、ネコの不思議な能力を検証する。ネコはなぜいつも足から着地できるのか、なぜ毛づくろいが大好きなのか、ネコのひげは一体何の役目をしているのか、
身近な話題から、ネコの社会的能力や言語能力といった興味深い研究成果も紹介。愛らしいネコたちの写真とともに、ネコの謎と秘密に迫る一冊。
■ 担当:翻訳 編集 DTP
■ 版元:日経ナショナルジオグラフィック
■ 刊行:2023/5