『失敗だらけの人類史』

失敗だらけの人類史

アダムとイブからアメリカの大手企業エンロン社の経営者の不正まで、豊富な図版を使いながら47の人類史に残る「決断」を紹介する。

根拠のない楽観論が悲劇を生むのはいつの時代も同じだ。古代カルタゴの英雄ハンニバルは象を引き連れ、アルプス越えをもくろみ多くの戦力を失う。タイタニック号は氷山に衝突したのが沈没の原因だが、そもそも救命ボートが乗客の半数分しか搭載されていなかった。

万全を期してもわずかなミスが歴史を変える。米国初の惑星探査機が打ち上げに失敗したのは、コンピュータープログラムにおける「ハイフン」の見落としだったとか。

人の判断が正しかったかどうかは多くの場合、結果論に過ぎない。だが、感情的な決断や些細な過ちが、人命や国の存続まで危うくすることを認識させられる。

評者:栗下直也
(amazonから引用)

 

担当:翻訳・編集・DTP
版元:日経ナショナルジオグラフィック社
刊行:2018/1/18

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