『文学の胎盤』

文化勲章受章、現代万葉学の第一人者である著者が、新幹線に乗り、東京から博多まで、日本近現代の名作小説の舞台を訪ね歩く。小説誕生までの「胎盤」となった土地が語りかける、何かを聴くために。 「文学とは一体何なのだろう ――近代文学を舞台から読むという仕事をしてみて、所詮日本文学は日本列島のあちこちの大地を暗喩として描くものなのかという疑問が大きく頭をもちあげてきた」(まえがきより)。国文学の泰斗中西進が、日本各地の近現代文学の舞台を訪ね、その土地と、作品や作者とのかかわりを探る42の論考。写真家・林義勝氏撮りおろしの美しい風景写真と、実際に文学散歩をする際に役立つ旅行情報などを、合わせて紹介する。 とりあげる作品も幸田露伴『五重塔』、谷崎潤一郎『細雪』など近現代文学の文豪の代表作から、新美南吉『ごん狐』のような児童文学までバラエティーに富んでいる。 単に文学を論ずるのではなく、土地の魅力を語るだけでもなく、山を、川を、森を、ときには温泉を、実際に訪れ、歩き、からだで感じて、土地と文学の間の「緊張関係」を、あらたなる角度からときほぐす労作である。東海道・山陽新幹線グリーン車搭載誌「ひととき」の、好評連載の書籍化。
(amazonから引用)

 

担当:DTP
版元:ウェッジ
刊行:2016/10/25

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